instagramでも靴製作の様子などご紹介しています。
  アカウントを持っていなくてもご覧いただけますので、よろしければこちらも是非、のぞいてみてください。
  →→instagram

2015年06月08日

靴のできるまで 11(ミシンがけ 中編)

シリーズ「靴のできるまで」。より詳しくご覧いただくために、ミシンがけは前・中・後編に分けることにしました。冗長に思われるかもしれませんが、お付き合いいただければと思います。

さて今回は、表革と裏革を一つにまとめていくのですが、その前に、履き口に入れる補強のパーツを作ります。「玉縁」とか「ビーディング(ビード)」と呼ばれるものです。

upper10.jpg
細長く切り出した表革の共革を薄く漉いて、そこに補強の綿テープを貼ります。

upper11.jpg
半分に折ってポンポンで叩いて、玉縁の完成。
これを履き口に入れることによって、見目良く補強ができるというわけです。

ちなみに、ポンポンは革を叩くための金槌です。
釘を打つものを革にも使うと、打面がガサガサになっていたりして、革に傷がついてしまうので、革を叩くものは専用のものを使います。

upper12.jpg
表革に貼る前。

upper13.jpg
貼った後。

upper14.jpg
裏から見るとこんな感じ。
山なりのカーブはヒダを寄せて、谷のカーブでは切り込みを入れて貼ります。

upper15.jpg
玉縁を入れたら、表革と裏革とを張り合わせていきます。
ベタ張りしてしまうと、このあと芯が入らなくなってしまうので、貼り合わせるのは履き口のみです。
貼りあわせの誤差を考えて裏革は履き口部分で表よりも大きめに作ってあるので、この段階では少しはみ出た状態になります。

upper16.jpg
合わせたら、一番上の紐穴だけ先に裏まで貫通させます。
そうしたら、その部分を少しだけ剥がして、裏ハトメを打っておきます。
表からは見えない紐穴の補強のためのハトメです。
全ての穴に打つ方もいますが、私は革やテープでも補強をしてあるので、ハトメに関しては負荷が大きい一番上の穴のみで良いと考えています。

upper17.jpg
表からは見えなくても、裏からは見えます。

裏ハトメを打ったら貼りあわせを元に戻して、履き口にミシンをかけていきます。
…かけた後の写真が見つかりません。たぶん撮り忘れたのだと思います。

upper18.jpg
表革・裏革を縫い合わせたら、履き口で余っている裏革を切り落としていきます。
切り落とすといっても使うのは革包丁ではなく、「市切(いちきり)」という道具です。
市切で切っていくことを「さらう」と言っています。

upper19.jpg
市切の先端はV字型になっていて、その谷の部分が刃になっています。
ここに余分な裏革を挟むようにして、押し付けるように進めていくと、革がスーっと切れるわけです。
押し付けたときに玉縁を傷つけないよう、市切は先端右側のエッジだけ少し丸めてあります。
糸のギリギリでさらいますが、糸まで切ってしまわないように注意が必要です。

upper20.jpg
さらい終えたらサッパリとこんな感じ。
この時点で、残りの紐穴も裏まで貫通させておきます。

アッパーがまとまるまで、もう少し工程がありますので、残りは後編で。

posted by cacica at 05:02| 靴のできるまで 2014-16