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2015年10月20日

靴のできるまで 15(スクイ縫い)

前回のつり込みまでで、ようやく靴らしい形になりました。

ここからは、ソールをつけていくための作業です。
ハンドソーンウェルテッド製法は、本体にウェルトという帯状の革を縫いつけ、さらにそこにソールを縫いつけていく、ちょっと複雑な製法です。メリットはスクイ縫いの糸で革を引くことができるので他の製法よりもきっちりと木型に沿わせることができること、その糸のテンションの変化と中底の厚さで履きこむにつれて足馴染みが良くなっていくこと。デメリットはパーツ数・工程が多くなり価格が高くなること、靴の重量がやや重くなることでしょうか。

今回のスクイ縫いというのは、靴本体にウェルトを縫いつけていく工程になります。
まずはウェルトを用意します。

sukui01.jpg
銀面がそのままだと劣化して割れてきてしまうので、銀面を剥いた後に染料で色を入れておきます。
上が染色前、下が染色後。

sukui02.jpg
次は糸の準備。
9本縒りの麻糸の先端を縒り戻し、だんだんと細くなるように加工します。
耐久性・対候性を上げるため、チャン(松脂や油等を煮たもの)を擦り込み、ロウでコーティングしておきます。上が加工後のもの、下は加工前のもの。

sukui03.jpg
糸の先には金針をつけておきます。

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左がロウ、右がチャン。

いよいよ本体に縫い付けていきます。
作業途中からになりますが、わかりやすいように、細かく見ていきましょう。

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ウェルトは柔らかくするために、そして後から繊維が締まるように、水を打ちながら作業を進めます。

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スクイ針で中底にあけた穴をさらにアッパー・ウェルトまで貫通させます。

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スクイ針を抜き、それを追うように外側から金針を入れます。

sukui08.jpg
外からの金針を引き抜いて、同じ穴に内側からも金針を入れます。

sukui09.jpg
内側から入れた針に対して、アヤをかけます。

sukui10.jpg
糸が結ぶようになっているのがわかるでしょうか。
こんな風に、アヤをかけることによって、糸が緩みにくくなるのです。

sukui11.jpg
そのまま糸を引いて締めます。
内外均等な力で締めて、さらに内側を強めに引きます。
ウェルトを、より本体に寄せるようにするためと、つり込み効果も兼ねています。
これでひと目。

ひたすら縫い進めていきます。

sukui12.jpg
トウの部分は下穴同士が近くなっているので、穴がつながらないように別の麻糸をかませて縫います。

sukui13.jpg
縫いあがったところ。
右下に見えるのが、スクイ針と釘抜きです。

sukui14.jpg
表から見たつま先。
靴本体のまわりにウェルトがつきました。
幅もきれいに均等に出ています。

posted by cacica at 19:37| 靴のできるまで 2014-16